ご挨拶

「日本舞踊は敷居が高い」という言葉をよく耳にします。たとえば、バレエやオペラなら一瞬でイメージが浮かぶ方も、日本舞踊の場合には曖昧な、なんとなくのイメージしか浮かばない。観る機会もなく、楽しみ方も正直なところよくわからない。そういった方が多いのではないでしょうか。

かく言う私も20歳でお師匠さんに弟子入りするまで、ほとんど観たこともなければ和装など七五三以来したこともなく、伝統芸能とは無縁の生活を過ごしてきました。親族や周りの友人にも日本舞踊を習っている人は皆無で、文字通りなにもわからないところから始めたのです。幼少期からお稽古を始めることが主流の中、私のようなケースは稀有だと思います。師とのご縁、そして先輩や友人に恵まれ、現在は師範として着付けや所作、そして踊りを人に教える仕事に携わっています。

人生のターニングポイントは不意に訪れます。そして、それはいつも後から振り返ってみて、初めて気づくものです。

足袋の履き方もわからなかった私が、弟子入りを機にゼロから学び体得してきたもの。
単なる踊りの技術だけでなく、古典芸能の根底にある`心`を伝えることの大切さ。
ネットが普及した今の時代だからこそ、礼節を大切にし、所作を通して相手への敬意や真心を伝える。踊りを通じて先人の想いや歴史を伝えていく。仕事にする、しないに限らず、習い事としてもこうした魅力を日本舞踊はもっています。

人生は一度きりです。また、物事を始めるのに遅すぎるということは絶対にありません。
今世を自分らしく生きる道しるべの一つとして、一歩踏み出してみませんか?

日本舞踊とは

日本舞踊とは
日本舞踊は約400年の歴史を有する`日本の踊り`のことです。
また、先行芸能である「舞楽」「能楽」、その他様々な民俗芸能のエッセンスが洗練された形で含まれている為、日本の芸能の集大成とも呼べるものです。

その構成は大きく分けて「舞い」「踊り」「振り」の3つから成ります。また、盆踊りや民謡、あるいは神楽や伝承民俗芸能などの民俗的な踊りとは異なり、舞台上で表現することを目的とした`舞台芸術`であるということも特徴の一つです。

近年、日本舞踊の国際化が進んでおり欧米諸国やアジア圏にもNihonbuyoとして呼称が定着しつつあると言われています。

お稽古案内

着付け教室

着付け教室
日本の伝統的衣装である浴衣や着物を、綺麗に着付けられるようになりたい方の為のお稽古です。 ゆったりとした振りだけでなく、激しい踊りや様々な役柄を演じる舞踊家ならではの視点から、品よく着崩れしにくい着付けの仕方をお伝えします。